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2013年3月 1日 (金)

ふたたび「アマゾン」のこと

前回、水声社の鈴木さんが「アマゾンのe託販売」のことを書かれましたが、その直後、ある業界紙に「アマゾンジャパン、主要仕入先を日販に変更」という記事が流れました。

それによると「9月5日、書籍の主要調達先を大阪屋から日販に変更することを出版社に通知。00年12月の日本参入時から大阪屋を主要調達先にしてきたが、その地位が日販に移ったことになる。変更時期は2012年10月2週目ごろより。その後も大阪屋とは日販に次ぐ調達先として取引を継続する。」と報じている。08年4月に新刊は日販、補充は大阪屋というシステム変更をして以来の全面変更である。メイン取次がある日突然変更になるというニュースは、年取ったわが身にはさながら震度5の衝撃を与えると同時に、なぜそうなったのか、水面下で何が話し合われたのか、大いに気になるところである。


今までの「アマゾン」からの商品補充を、大阪屋では「IBC」が担ってきた分を、日販への移行によって24時間稼働の「日販WEBセンター」が担っていくと言われる。はたして、「IBC」の器用さを「WEBセンター」がスムースに受け継ぐことが可能かどうか、更に、このような物流の一元化が果たして業界にとってプラスとなるのか、一番気になるところだ。

「アマゾン」と取引をしている我々版元も、注文するお客さんも一番気にするのは「商品の調達時間」だ。

「アマゾン」との「e託販売」をせず、取次経由で商品売買している私たちは、今まで大阪屋「IBC」の在庫を把握し、在庫の少ない商品に対してはその都度、大阪屋と調整を図かってきた。「アマゾン」の在庫情報にあわせ、「2~4週間」調達期間を、せめて「5~6日」へ、さらに「17時間」以内に出来ないものかと「調達期間・時間」を気にしながら、大阪屋と取り組んできた。

その、今までのこまめな大阪屋との関係を、今後、日販の誰と結んでいけるのか、問われている。

さらに、物流期間(調達期間)の問題でも、「アマゾン」は全国各地に物流拠点を拡大し、商品調達時間の短縮を図っている。各取次が各地の店売を閉鎖してきた中、「アマゾン」は現在、市川・八千代・堺・川越・川越芳野台・狭山・大阪大東・愛知常滑・鳥栖と物流センターを広げている。その中で「本」を扱っているのは、市川・堺・鳥栖の3ヶ所。この3ヶ所以外にも今後、まだまだ拡大路線は続いていくだろう、日本地図のどの地区に物流拠点を置くかの答えは歴然としている。

ある出版社によると「アマゾン」の売上が、紀伊國屋全店の売上に並ぶか、それ以上との声も聞こえる。ここまで取引金額が肥大化している中、現在流対協でも、現在加盟各社が「アマゾン」との取引をどのように行っているかの状況把握を行っている。さらに「アマゾン・ベンダーセントラル」を「スマートに使いこなしていくには」の勉強会も行っている。

帳合変更等、大きな地殻変動の時は多くの血と涙を流す。その昔「大学生協」帳合がトーハンから日販に替わった時、トーハンの生協担当者の悔し涙を今も鮮烈に思い出す。この反対のことも今まで行われてきた。今後予想されるますます大きな「地殻変動」を「想定外」とするか「内」とするか、問われている。

金岩宏二(出版協理事・営業委員会委員長/現代書館

出版ニュース201210月中旬号より

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