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2013年5月

2013年5月31日 (金)

文化審議会・出版関連小委員会(第2回)、会長、ヒアリングで出席

文化庁文化審議会・著作権分科会・出版関連小委員会(第2回)が、
5月29日(水)13時 ~15時、グランドアーク半蔵門富士西の間で開催され、
高須会長がヒアリングで出席、要望書 を提出しました。

当日(第2回)の配付資料は下記にアップされています。
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/singikai/shuppan/h25_02/gijishidai.html

第1回(5月13日)の配布資料、議事内容は下記にアップされています。
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/singikai/shuppan/h25_01/gijishidai.html
(出版協の要望書もアップされています)

2013年5月27日 (月)

共通番号制法案の可決に抗議する

●声明●
共通番号制法案の可決に抗議する

「行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用に関する法律案」(共通番号制)は、5月23日、参議院内閣委員会において、たった8時間で審議を打ち切り、5月23日、本会議で可決してしまった。、これは2002年に国民総背番号制として批判された住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)の延長線上にあるものである。住基ネットは稼働に400億円の国費が使われたにもかかわらず、国民の住基カードの取得率は5%という無駄なものであった。住基ネットの住民票コードは民間利用を禁止されているが、新たな共通番号制は民間利用を予定している。目に見える形で公開される共通番号制は納税者番号として個人から事業者、そして事業者から税務当局への流れで広く利用されようとしている。
このような情報の一元化はプライバシーの侵害が多発する可能性が大である。情報主体の事前同意による自己情報コントロール権の保障がされておらず、また、官民で広く利用することに伴うリスクを検討していない。プライバシー権を保証した憲法13条(個人の尊厳)に抵触するものである。セキュリティ対策では政府とは独立した番号情報保護委員会を設けるとしているが、昨今のサイバーテロによる情報流出をみても、個人情報の不正利用・漏洩は防ぎきれるものではない。たとえ情報漏洩を行ったものが罰則の適用を受けても、何ら被害回復は図られないのである。共通番号制を採用したアメリカでは、他人の番号を不正に入手し、偽造クレジットカードなどでお金をだましとる事件が相次いでいる。

日本ではそもそも共通番号制導入の目的が、明らかにされていない。きめ細やかな社会保障給付の実現として、給付漏れや二重給付の防止があげられているが、給付漏れは役所の住民に対する説明不足の問題であり、二重給付は役所のチェック業務怠慢の問題である。いずれも共通番号制で解決できる問題ではない。

国民ID番号をそのまま共通番号制として、あらゆる個人データを付するということは危機管理にもとることである。例えば世界のひとつのモデルとなっているオーストリアでは、国民IDは存在しているが、各分野のデータにその国民IDをそのまま付すなどということはしておらず、分野別番号で管理している。分野をまたがる情報連携は、国民IDとは別の番号を用いてプライバシーを保護しているのである。

2016年から実施とされているが、共通番号制の費用対効果の問題も全く考えられていない。政府の説明によれば、導入初期費用は2000から3000億円。さらに運営維持費は毎年200から300億円かかるという。国費の無駄遣いである。消費税増税をいう前に、共通番号制導入費用をカットした方が、誰がみても合理的である。このような共通番号制には断固反対するものである。またこの法案の実施をさせない監視を強化しなければならない。

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2013年5月 7日 (火)

「アベノミクス」の裏側で……。

大型連休の中休みの5月1日、かつては労働者の祭典メーデーで全国に賃上げや政治スローガンが鳴り響いたものだが、今日は静かである。書店での売上げはいかがでしょうか。

アベノミクスの恩恵か、連休中の海外旅行は記録だとか、デパートの高級品の売上げは大幅増だとかのニュースが踊っている。確かに株価は上がり、ニコニコ顔の人も多かろう。また円安でニコニコの企業や一息ついているところもあるはずだ。しかし、一般的には円安は消費者を基本的に苦しめる。なぜなら、輸入大国日本は食料品の含めた輸入原料の値上がりが様々な形で消費者を直撃するからだ。

年金生活者をはじめとする収入増を期待できない高齢化社会にとっては、デフレが良いとは言えないものの、物価の安い安定的な社会は必要不可欠である。しかしながら、際限のない金融緩和というものの、われわれ小零細企業にとっては、優良企業にしか融資しない金融機関の実態を身にしみるほど知っており、その恩恵を受ける前に原材料をはじめとする物価上昇という洗礼を受けなければならない。

さて、わが業界も右肩下がりを続けながら、読者(消費者)に媚びるかのように単価の安い文庫や新書へのシフトという実質的なデフレ化を進めてきた。文庫や新書が悪いと言っているわけではない。企業間競争があり、それに勝ち抜く戦略としてそれを展開するのは極めて当然である。

だが、少し身を引いて眺めてみれば、それらの戦略は市場としてのパイを広げることにならず、結果として返品率の上昇という非効率というおまけ付きで返ってきたのではなかろうか。

また、アマゾンを頂点とする楽天やその他の通販は、各版元の売上げに占める割合は増える一方で、あたかも売上げが上がっているかのような“幻想”を与えてきたが、その実、パイを広げていたのではない。単に読者の便をはかって、流通ルートが変更されたにすぎなかったのだ。しかも、アマゾンにあっては再販制度を無視した値引きを公然とやるに及んでいる。流通システムには、学ぶべきことも多いが、それは取次さんの奮闘を期待するより他ない。流通は地方の書店や小版元にとっては正に命綱である。

書店の廃業などによる店舗数の減少、売上げの減少という低落傾向にあって、われわれ小零細版元は、制作コスト削減を意図して社内DTPや少部数印刷などの方策でどうにか再生産システムを維持してきたが、今後はアベノミクスによる円安に発する用紙の値上がりや印刷・製本のコストの上昇が見込まれる(すでに上がっているのかも)状況に直面している。

雑誌の落ち込み、コミックの停滞、戦後の流通システム(マスセール)の中心を担ってきた商品の停滞は、業界全体の変革を求めているのは間違いない。同時に読者の購買意欲の減退(経済的余裕の無さもあるかも知れない)も見逃すことが出来ない。

学生たちの読書時間の減少、テキストさえも買わない学生、漢字の読めない若者たちの増加、定年退職者たちの活字離れや図書館利用による購読の減少……。悪い話は枚挙にいとまがない。

だが、嘆いてばかりではどうしようもない。書生っぽい議論だが、「急がば回れ」で、出版界の再生を考える秋に来ているように思える。

それは、安倍自民党や橋下維新の会のいう「教育改革」ではない方策で、知的好奇心や読書体験を積みやすい環境を作り出すことではなかろうか。われわれに出来ることは、その意味では、地元に根付く文化コミュニティとしての書店を維持することであり、再販制度を維持し、過剰な価格競争という弊害に陥ることなく、良質な出版物の再生産とそれによって保持される小版元の多様な出版活動の可能性から生まれる“作物”を提供することで、読者及び書き手の要望に応えることではなかろうか。

安倍政権が進めるTPP交渉は、中身がはっきりしないが、もし締結となれば、独禁法の例外規定である再販制度は、何の抵抗もなく撤廃されるかも知れない。文化とか、知財とかいう目に見えないものが、崩壊するときは、それが表象する物の衰退と軌を一にするのだろう。決してナショナリストではないが「黄昏日本」では困るのだ。

竹内淳夫(彩流社)●出版協副会長

出版協 『新刊選』
2013年5月号 第7号(通巻231号)より
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2013年5月 6日 (月)

出版協 『新刊選』2013年5月号 第7号(通巻231号)

出版協 『新刊選』
2013年5号 第7号(通巻231号)

1P …… 「アベノミクス」の裏側で……。

竹内淳夫
彩流社)●出版協副会長

2P ……出版協BOOKS/5月に出る本

3P …… 出版協BOOKS/5月に出る本

編集というお仕事●本はこうして生まれるのだ

日本出版者協議会プレゼンツ●トークイベント

編集というお仕事 ── 本はこうして生まれるのだ

内田眞人(作品社)×関戸詳子(勁草書房)×濱崎誉史朗(社会評論社)

話題の編集者が極私的本づくりを大公開!

「あの話題の書籍はどうやって生まれたのか!?」

いつも本を読んでいても、その本がどうやって作られたのかは意外と知られていないもの。同じ編集者同士でも、人がどうやって本を作っているかは未知の世界。10人の編集者がいれば、10通りの本づくりがあるといっても過言ではない。そう、「本づくりに定石はない!」のです。

今回のトークイベントでは、3人の編集者のそれぞれの本づくりを大公開。
涙あり笑いありの編集秘話を、包み隠さずお話しします! 



【パネラー紹介】

内田眞人(作品社)
1985年、作品社入社。守備範囲は、政治経済・思想哲学からビジネスまで、ジェンダー論からエロスの世界までと幅広く、硬軟問わず面白いと思うテーマは何でも。この10年では、ジャック・アタリ、デヴィッド・ハーヴェイ、アントニオ・ネグリ、ジョヴァンニ・アリギなどを売り出してきた。企画のモットーは「時代の“半歩”先を行く本作り」、「陽の当たる“裏街道”」。
【代表作品】
ジャック・アタリ著『21世紀の歴史——未来の人類から見た世界』(作品社、2008年)
デヴィッド ハーヴェイ著 『新自由主義——その歴史的展開と現在』(作品社、2007年)

関戸詳子(勁草書房)
2007年、勁草書房入社。主に、哲学・思想、政治思想、社会学の分野を担当。2011年8月に東日本大震災の復興支援チャリティを兼ねた短篇アンソロジー『ろうそくの炎がささやく言葉』(管啓次郎・野崎歓編)を編集。この本を使った朗読イベントを各地で開催している。
【代表作品】
管啓次郎、野崎歓編『ろうそくの炎がささやく言葉』(勁草書房、2011年)
伊達聖伸著『ライシテ、道徳、宗教学』(勁草書房、2010年)

濱崎誉史朗(社会評論社)
社会評論社の編集・DTP・装幀・書店フェアを一人でこなす編集者。2011年に有隣堂ヨドバシAKIBAで、自身の等身大パネルを設置した『松マルクス本舗』などのフェアを連続で一年間開催する。2012年は『完全自殺マニア』のパロディ裁判に明け暮れる。チュニジア・フィリピン・イギリス育ち。気になる珍書新刊をツイッターで配信している。
【代表作品】
相田くひを著『完全自殺マニア——日本自殺年表人名データベース』(社会評論社、2012年)
吉田一郎著『消滅した国々——第二次世界大戦以降崩壊した183ヵ国』(社会評論社、2012年)


【イベント詳細】


2013年
613
(木) 19:30~

ジュンク堂書店池袋本店 4階カフェにて

定員/40名(お電話又はご来店にてお申し込み先着順)
入場料/1000円 (ドリンク付)
受付/お電話又はご来店(1Fサービスカウンター)にて先着順に受付。


※トークは特には整理券、ご予約のお控え等をお渡ししておりません。
※ご予約をキャンセルされる場合、ご連絡をお願いいたします。
◎お問い合わせ 池袋本店 TEL03-5956-6111


【チラシ 

【一般社団法人 日本出版者協議会[出版協/旧・流対協]とは】


中小出版社95社が加盟する出版業界団体。
①言論、出版及び表現の自由の 擁護
②出版者の権利を確立
③出版物の再販制度を堅持
④出版物の公平・公正な流通確保
という4つの目的を掲げ活動を行っています。
●出版協ブログ

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