共通番号制法案の可決に抗議する
●声明●
共通番号制法案の可決に抗議する
「行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用に関する法律案」(共通番号制)は、5月23日、参議院内閣委員会において、たった8時間で審議を打ち切り、5月23日、本会議で可決してしまった。、これは2002年に国民総背番号制として批判された住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)の延長線上にあるものである。住基ネットは稼働に400億円の国費が使われたにもかかわらず、国民の住基カードの取得率は5%という無駄なものであった。住基ネットの住民票コードは民間利用を禁止されているが、新たな共通番号制は民間利用を予定している。目に見える形で公開される共通番号制は納税者番号として個人から事業者、そして事業者から税務当局への流れで広く利用されようとしている。
「行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用に関する法律案」(共通番号制)は、5月23日、参議院内閣委員会において、たった8時間で審議を打ち切り、5月23日、本会議で可決してしまった。、これは2002年に国民総背番号制として批判された住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)の延長線上にあるものである。住基ネットは稼働に400億円の国費が使われたにもかかわらず、国民の住基カードの取得率は5%という無駄なものであった。住基ネットの住民票コードは民間利用を禁止されているが、新たな共通番号制は民間利用を予定している。目に見える形で公開される共通番号制は納税者番号として個人から事業者、そして事業者から税務当局への流れで広く利用されようとしている。
このような情報の一元化はプライバシーの侵害が多発する可能性が大である。情報主体の事前同意による自己情報コントロール権の保障がされておらず、また、官民で広く利用することに伴うリスクを検討していない。プライバシー権を保証した憲法13条(個人の尊厳)に抵触するものである。セキュリティ対策では政府とは独立した番号情報保護委員会を設けるとしているが、昨今のサイバーテロによる情報流出をみても、個人情報の不正利用・漏洩は防ぎきれるものではない。たとえ情報漏洩を行ったものが罰則の適用を受けても、何ら被害回復は図られないのである。共通番号制を採用したアメリカでは、他人の番号を不正に入手し、偽造クレジットカードなどでお金をだましとる事件が相次いでいる。
日本ではそもそも共通番号制導入の目的が、明らかにされていない。きめ細やかな社会保障給付の実現として、給付漏れや二重給付の防止があげられているが、給付漏れは役所の住民に対する説明不足の問題であり、二重給付は役所のチェック業務怠慢の問題である。いずれも共通番号制で解決できる問題ではない。
国民ID番号をそのまま共通番号制として、あらゆる個人データを付するということは危機管理にもとることである。例えば世界のひとつのモデルとなっているオーストリアでは、国民IDは存在しているが、各分野のデータにその国民IDをそのまま付すなどということはしておらず、分野別番号で管理している。分野をまたがる情報連携は、国民IDとは別の番号を用いてプライバシーを保護しているのである。
2016年から実施とされているが、共通番号制の費用対効果の問題も全く考えられていない。政府の説明によれば、導入初期費用は2000から3000億円。さらに運営維持費は毎年200から300億円かかるという。国費の無駄遣いである。消費税増税をいう前に、共通番号制導入費用をカットした方が、誰がみても合理的である。このような共通番号制には断固反対するものである。またこの法案の実施をさせない監視を強化しなければならない。
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日本ではそもそも共通番号制導入の目的が、明らかにされていない。きめ細やかな社会保障給付の実現として、給付漏れや二重給付の防止があげられているが、給付漏れは役所の住民に対する説明不足の問題であり、二重給付は役所のチェック業務怠慢の問題である。いずれも共通番号制で解決できる問題ではない。
国民ID番号をそのまま共通番号制として、あらゆる個人データを付するということは危機管理にもとることである。例えば世界のひとつのモデルとなっているオーストリアでは、国民IDは存在しているが、各分野のデータにその国民IDをそのまま付すなどということはしておらず、分野別番号で管理している。分野をまたがる情報連携は、国民IDとは別の番号を用いてプライバシーを保護しているのである。
2016年から実施とされているが、共通番号制の費用対効果の問題も全く考えられていない。政府の説明によれば、導入初期費用は2000から3000億円。さらに運営維持費は毎年200から300億円かかるという。国費の無駄遣いである。消費税増税をいう前に、共通番号制導入費用をカットした方が、誰がみても合理的である。このような共通番号制には断固反対するものである。またこの法案の実施をさせない監視を強化しなければならない。
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