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2014年5月

2014年5月23日 (金)

STOP!! Amazon Student プログラム!!

STOP!! Amazon Student プログラム!!

── Amazonのポイントサービス=値引販売を止めるために ──


(出版協会員社、連名での呼びかけになります)

日本出版者協議会(出版協、94社)に加盟する私たちは、
Amazon Student プログラムの10%ポイントサービス(値引き)は、
再販売価格維持契約(再販契約)に違反すると判断し、
取次店を通して同サービスの対象から自社商品を除外するよう求めてきました。
しかし、何ら改善されないため、このたび改めて

(1)自社商品のポイントサービスからの除外を求める要望をアマゾンおよび取次店に提出する
(2)再販契約に基づく違約金の請求を行う
(3)再販契約に基づきアマゾンへの出荷を期限付きで停止する
などの行動を開始しました。

5月9日に発表した「アマゾンへの出荷停止」が報じられて以来、
この問題への関心が高まっており、出版協の加盟社では私たち以外の多くの社も、
この機に自社商品についてAmazon Student プログラム・ポイントサービスからの
除外要求をすることを検討しております。

多くの出版社が「Amazon Student プログラムの10%ポイントサービス」を再販契約違反と判断し、自社商品の「10%ポイントサービスからの除外」を求めるならば、その効果は決して小さくないはずです。

日本の多くの出版社が、再販制を守り、ポイントサービス=値引販売を看過しないということを明確にアマゾンに認識させ、アマゾンにポイントサービスを中止させることができるかどうかのターニング・ポイントです。
アマゾンに対して、自社商品のポイントサービスからの除外を強く求めましょう!

▼今回の問題の留意点

① Amazon studentは10%という高率のポイント
ポイントサービスは値引きである。しかし1%程度のお楽しみまでは問題にできない(公取委見解)──大学生協は独禁法対象外のため、再販制度に拘束されない

② ポイントサービスが再販契約違反かどうかは出版社のみが判断できる、取次店は独自に判断できない(政府見解/公取委見解)

③ 当該出版社は、サービスを中止させることはできないが、自社商品を除外要請できる
(公取委見解)

▼要望書を送りましょう!
1 アマゾンに対して/自社商品のポイントサービス対象からの除外を求める要望書を送付
2 日販、大阪屋に対して/アマゾンが上記のことを実施するよう指導することを求める要望書を送付

●要望書送付先●

アマゾンジャパン/〒153-0064 東京都目黒区下目黒1-8-1ARCO TOWER ANNEX
日販/〒101-8710 東京都千代田区神田駿河台4-3
大阪屋/〒112-0002 東京都文京区小石川2-22-2 和順ビル

出版社が声をあげ、動かなければ、再販も街の書店も守れない!!

●呼びかけ出版社(50音順)
あけび書房/解放出版社/現代書館/合同出版
皓星社/コモンズ/彩流社/三元社/三陸書房
時潮社/社会評論社/松柏社/不知火書房/水声社
スタジオタッククリエイティブ/せりか書房/千書房
創土社/草風館/第三書館/大蔵出版/田畑書店
ひとなる書房/批評社/風媒社/明月堂書店
唯学書房/リベルタ出版
緑風出版/論創社


↓文書例、再販Q&Aは、下記を参照してください

●Amazonへの文書例

●再販制維持についてのQ&A

呼びかけチラシ

2014年5月21日 (水)

編集者連続講座[全3回]

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                        日本出版者協議会プレゼンツ

                編集者連続講座

                     [全3回]

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第1回 「編集」という視点からデザインを捉え直す

──講師/鈴木一誌(デザイナー)

◆ 手を動かす/身体的
◆ ページネーションの構造
◆ 自分を編集する
◆ 社会人のための学校  ほか

6/20(金) 19:00 ~ 21:00 (開場18:30) 
場所/文京シビックセンターB1 アカデミー文京学習室

【講師プロフィール】 
鈴木一誌(すずき・ひとし)

1950年、東京都立川市生まれ。東京学芸大学、東京造形大学ともに中退。
デザイナー杉浦康平氏のもとで12年間アシスタントを務め、1985年独立。
本文頁レイアウト・フォーマットをめぐって朝日新聞社とのあいだで争われた
「知恵蔵裁判」を1993年に提訴し、1999年に高裁で敗訴。
1981年、映画批評で第1回ダゲレオ出版評論賞。
1998年、講談社出版文化賞ブックデザイン賞。 

●主なデザインの仕事 : 『昭和/二万日の全記録』『クロニック世界全史』
『大辞泉』『JapanAn Illustrated Encyclopedia/英文日本大事典』等

●主な著述: 「ページネーションのための基本マニュアル」……ネットで無償公開
http://www.ohtabooks.com/press/2010/10/22120000.html (iPhone用・iPad用)
https://www.pot.co.jp/img/pagination/pm_ipad_20101022.pdf (PC用)
「明解日本語文字組版」(共著)
『印刷ガイドブック/DTP実践編』『知恵蔵裁判全記録』(共著)
『画面の誕生』『ページと力』『重力のデザイン』等。

※最新作(6月15日発売予定)……当日、販売予定
1969新宿西口地下広場』(映画『'69春~秋 地下広場』1970・84分DVD付)
大木晴子+鈴木一誌・編著/定価3,200円+税/新宿書房

※チラシを見る

……………………………………………………………………………

お申込み
■日 時/2014年 6 月 20 日(金)19:00~(開場18:30~)
■会 場/文京シビックセンター B1 アカデミー文京・学習室
              (文京区春日1丁目)
■定 員/60名
■参加費/1000円 (税込)
■受 付/メール又はFAXにてお申込み。定員になり次第締切ります。
■申込先/E-mail:出版協  shuppankyo@neo.nifty.jp  / FAX: 03-6279-7104
■お問合せ/TEL:03-6279-7103(出版協)

参加者氏名(複数の場合代表者)/
参加人数/   人
所属/

ご連絡先/E-mail または TEL:

申込回:第1回 ・第2回 ・第3回

懇親会(21:00~/会費3000円程度): 参加する ・ 参加しない

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第2回 編集者にとって「独立」の意味を考える(仮)
──講師/小林 浩月曜社) 下平尾 直共和国

◆ 会社? 編集者? 企画は「誰」のものか
◆ デジタル化で編集者の仕事は変化するか
◆ 編集者は読者をどのように想定するか
◆ 編集者が「独立」を考えるとき――その理想と実践 ほか

7/17(木) 19:00 ~21:00 (開場 18:30)
会場/文京シビックセンター5階 会議室A+B

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第3回 「平台の編集」で捻出する人文書の居場所(仮)
~「使える店」と「いい店」の間で考える~
──講師/久禮亮太あゆみBOOKS小石川店・店長) 他書店員(※交渉中)

◆ 「売れ筋を凝縮した便利さ」と「特色ある選書」の間で
◆ 人文書を他のジャンルの棚で売る
◆ 売上スリップから読み解く読者のライフスタイル
◆ 既刊書を掘り起こして新刊書と組み合わせる ほか

日時、会場が決まりました!

8/27(水)
19:00 ~21:00 (開場 18:30)
会場/文京シビックセンター5階 会議室A+B

2014年5月12日 (月)

Amazonへの出荷停止について記者会見

【NEWS】

5月9日、会員社である緑風出版、水声社、晩成書房が、Amazonへの出荷停止について、文京区民センターで記者会見

(動画あり)
(画像あり) 2014.5.9 18:24 [流通]

2014年5月 2日 (金)

出版協 『新刊選』2014年5月号 第19号(通巻243号)

出版協 『新刊選』2014年5月号 第19号(通巻243号)

1P …… アマゾンで買った書籍の消費税は払い損?!
竹内淳夫彩流社●出版協副会長

2P
……出版協BOOKS/5月に出る本
3P……出版協BOOKS/5月に出る本

アマゾンで買った書籍の消費税は払い損?!

出版業界第一の小売店アマゾンが「消費税を払っていない!」と聞けば、「そんな馬鹿な?! あの一流企業が」と思う人たちは多いだろう。

既にご存じの方々もいるだろうが、2009年に東京国税局がAmazon.comに対して2003年から05年分について140億円の追徴課税を申し渡したのに対し、日米当局者の協議の結果、徴収を断念したという出来事があった。これは海外事業者に対する税制の不公平性に起因するものであるが、税制の中身について議論するのは他にゆずるとして、今回はその公平な課税適用の必要性とアマゾン一人勝ちのからくりの一端に触れてみる。

現在、一般に「アマゾン」と呼ばれている通販会社との主取次店である日販は、米国のシアトルにあるAmazon.com Int'l  Sales,Inc.と再販契約を結び、日本国内の実務を担うアマゾンジャパン社はAmazon.co.jpというサイトの運営をAmazon.com Int'l  Sales,Inc.から業務委託されている関係にある。

アマゾンジャパン社は読者からの注文を受けると、日販等取次を通して調達、アマゾンジャパン・ロジスティクス社の倉庫に納品され、代金はアマゾンジャパン社から支払われているという。この代金は消費税込みであるが、一般的に輸出業者には還付されることになっている。

一方、注文された書籍は日本にある倉庫からAmazon.com Int'l Sales,Inc.の納品書同封で読者に送られ、消費税込みの代金がAmazon.com Int'l Sales,Inc.にドル決裁で支払われる。

売り主はあくまでもAmazon.com Int'l Sales,Inc.で、実物は国外に出ることはないが、伝票上は輸入扱いになって、読者が支払った消費税はシアトルにあるAmazon.com Int'l Sales,Inc.に入るが、その消費税を日本に納める必要はない。

これらのことについては、昨年11月11日民主党の有田芳生参議院議員が「出版物販売における海外事業者への課税に関する質問趣意書」を提出。①140億円の追徴課税断念の経緯と理由。②Amazon.com Int'l Sales,Inc.、アマゾンジャパン社、アマゾンジャパン・ロジスティクス社への課税状況。③Amazon.com Int'l  Sales,Inc.の消費税は日本に納付されているか。④海外事業者からの電子書籍等のインターネット配信には課税されず、国内事業者に課税される不公平は是正されるべきでは──の四点を質した。しかし、①~③は「個別・具体的な事柄であるので答弁は差し控えたい」として明らかにせず、④についてだけ、事実を認めて課税の在り方を検討すると答えた。

この④に関しては、出版団体を中心に「海外事業者に公平な課税適用を求める対策会議」や「インターネットサービスにおける公正な消費税を求める連絡会」が組織され、文字・活字文化推進機構と関係国会議員などによる税制の見直しを求めるフォーラムが開催され、徐々にではあるが、海外事業者への批判の声が高まりつつある。

4月10日に開かれた第二回のフォーラムでは、紀伊國屋書店の高井昌史社長が「消費税の税率が10%になる時までに税制改正が出来なければ、電子書籍販売のKinoppyをやめざるを得ない」とまで述べるに至った。
しかし、これは電子書籍に限ったことではない。すでにアマゾンは2012年8月30日から学生を対象とした「Amazon Student」プログラムを実施し、10%のポイントサービス恒常化し、時には15%の期間限定の値引き販売を行っている。

わが出版協は、このポイントサービスは、どう見ても再版契約に違反する値引き行為であると12年10月17日に中止を申し入れたが、契約当事者でないので回答する立場にないと一蹴された。しかし、その後も、出版協加盟社の有志社は、自社の商品をそのプログラム対象商品から除外することを申し入れるなど、アマゾンとの交渉を続けてきたが、契約当事者でないとの理由で具体的な進展はないまま現在に至っている。この値引きの原資が当初ははっきり分からなかったが、実は消費税の“ただ取り”がそれだったとすれば、10%になった時は、どれだけのポイントサービスが可能か、考えるだけでも恐ろしい。

いまや、明確になったのはアマゾンとの契約当事者は、版元ではなく取次店であり、取次店が再販売契約の履行を迫れるかにかかっている。このまま、アマゾンの大幅ポイントサービス一般読者に広げられたら、リアル書店の存続は絶望的である。

アマゾンの利便性と消費者利益という“大義”が、弱肉強食の資本の論理の本質であり、再販制を破壊することになれば、活字文化の再生産を維持する版元の足場をも崩壊させることになるだろう。

最後に余談ではあるが、4月から消費税が8%に上がったにも関わらず、アマゾンのサイトには5%と8%の商品が混在する事態にある。これは、「価格」という表示に表れているようにアマゾンにはもともと定価+消費税という認識がないかあるいは希薄である証明とも言えよう。

竹内淳夫彩流社 )●出版協副会長
出版協 『新刊選』2014年5月号 第19号(通巻243号)より
※画像で見る

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