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2014年8月22日 (金)

パブコメ●特定秘密保護法の「運用基準」と「施行令」に反対する

パブリックコメント
特定秘密保護法の「運用基準」と「施行令」に反対する

提出日/2014年 8月22日
[1] 政府は国家安全保障会議(日本版NSC)をはじめとする政府諸機関の活動とその保有する情報を、わが国の安全保障に関する情報を、「特定秘密」として国民に隠蔽し、この「特定秘密」を暴こうとする内部告発者、ジャーナリスト、出版者を重罰をもって規制・統制するために「特定秘密保護法」を2013年12月6日に強行採決した。さらに「集団的自衛権の行使」を合憲とした閣議決定(2014年7月1日)にもとづいて、いままさに政府は、「戦争ができる国」づくり体制を目指して、特定秘密保護法の「運用基準」と「施行令」の策定に向かっているのである。出版協はこのような特定秘密保護法の「運用基準」と「施行令」に断固反対し、特定秘密保護法そのものの廃止を強く求めるものである。

[2] 政府が7月12日に発表した「運用基準」と「施行令」には次の問題点がある。

○報道の自由が保障されない。

憲法で保障された表現の自由、知る権利、報道の自由の保障が明記されていない。報道の自由は「配慮」にとどまっている。国民が国の重要な情報にアクセスすることが罰せられる危険性もある。憲法に違反する法律は廃止すべきである。7月に開催された国連の自由権規約委員会が、日本政府に対して、秘密指定の対象となる情報について曖昧かつ広汎に規定されている、指定について抽象的要件しか規定されていない、ジャーナリストや人権活動家の活動に対し萎縮効果をもたらし かねない重い刑罰が規定されている、ことを憂慮すると述べ、自由権規約に適合するような措置をとるべきとの勧告を出した。国連からも問題を厳しく指摘されている。

○政府の都合の悪い情報が秘密になる。

「特定秘密」の指定の要件があいまいである。「国民の生命及び身体の保護に関する重要な情報又は外国の政府若しくは国際機関からの情報」といったなんとでも拡大解釈できる要件も含まれている。政府に都合の悪い情報を隠すだけのものになっている。

○国民監視の危険はそのままである。

適性評価にあたり、「思想信条並びに適法な政治活動及び労働組合の活動について調査することは厳に慎む」と案には書かれている。しかし、適性評価にあたって「関係行政機関の協力」、つまり警察や公安調査庁、自衛隊から情報を得ることをひきつづき認めている。警察等がこの法律を利用し、市民の情報収集活動をすすめ、 市民監視が強まることになる。

○不適切な情報をチェックできない。
独立公文書管理監は、「特定秘密」の提出を求め、不適正の場合は是正を求めることができるとされているが、閣僚の判断によって提出を拒むことができると報道されている。これでは、監視機関の役割をまっとうできない。そのメンバーが官僚で組織されれば、「第三者機関」とはいえない。このような法律は廃止すべきである。

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