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2015年2月

2015年2月20日 (金)

出版協版、出版契約書ひな型、修正を加えた「最終版」

14年9月29日、下記の3種のひな型を発表。
15年2月20日、3種のひな型の最終版をアップ、
「電子書籍販売委託契約書」を追加しました。

出版協版「新・出版契約書」「keiyakusho_2014.pdf」をダウンロード

出版協版「既刊出版物についての覚書」「oboegaki_2014.pdf」をダウンロード

出版協版「再許諾契約書(文庫化等対応)」「nijisiyou_2014.pdf」をダウンロード


▼NEW
出版協版「
電子書籍販売委託契約書「denshikeiyaku_2014.pdf」をダウンロード

※いずれも、保護されたPDFファイル(印刷不能)です。 
 出版協の会員社には、Word版が提供されます。

2015年2月17日 (火)

「製作」から考える「本はモノである」ということ

●日本出版者協議会プレゼンツ●トークイベント●

改正著作権法施行!

「製作」から考える「本はモノである」ということ

http://www.junkudo.co.jp/mj/store/event_detail.php?fair_id=8297

開催日時:2015年3月17日(火)19:30~

チラシを見る

▼トークする人

桂川 潤(装丁家、イラストレーター)
河野 和憲(編集者)

装丁とはテキストへの「共感」であり「批評」である。

これまで約1800冊の装丁を手がけてきた桂川氏。
テキストを「書物=モノ」として結晶化する瞬間の興奮をいつも感じているという。

その桂川氏が書籍の電子化を実践。
電子書籍の特長は写真・図版を自在に拡大・縮小できること。
「紙」の本では想像もつかない細部の情報量に読者から予想以上の反響が寄せられた。

桂川氏は書籍の電子化そのものに反対しているのではない。
「批判するだけではなく自ら代案を!」と思い立った電子化懐疑派の
「笑うに笑えない」顛末等を徹底的に語っていただく。


▼桂川潤(かつらがわ・じゅん)
──装丁家、イラストレーター。1958年東京生まれ。立教大学大学院文学研究科修士課程修了。キリスト教系NGOや研究所の勤務を経て、1995年からブックデザイン(装丁)の仕事をはじめる。
『吉村昭歴史小説集成』(岩波書店)の装丁で第44回(2010年)造本装幀コンクール日本書籍出版協会理事長賞(事典・全集部門)受賞。
著書に『本は物(モノ)である』(新曜社/2010年)、共著に『本は、これから』(池澤夏樹・編/岩波新書/2010年)、『人権とキリスト教』(明治学院大学キリスト教研究所・編/教文館/1993年)、共訳書に『民衆神学を語る』(安炳茂・著/新教出版社/1992年)等がある。

▼河野和憲(こうの・かずのり)
──彩流社(編集及び製作担当)

★入場料はドリンク付きで1000円です。
当日、会場の4F喫茶受付でお支払いください。

※トークは特には整理券、ご予約のお控え等をお渡ししておりません。
※ご予約をキャンセルされる場合、ご連絡をお願い致します。(電話:03-5956-6111) 

■イベントに関するお問い合わせ、ご予約は下記へお願いいたします。

ジュンク堂書店池袋本店
TEL 03-5956-6111
東京都豊島区南池袋2-15-5

2015年2月 6日 (金)

混迷の出版界で 改めて再販制度の活性化を!

この原稿を書き始めたら出版科学研究所の「2014年の書籍・雑誌販売実績」の情報がもたらされた。 それによると、「合計販売額は前年比4.5%減の1兆6065億円。マイナスの幅は1950年の統計開始以来最大。書籍は文芸書、文庫といった売れ筋の低迷が響き、雑誌も落ち込みが続き、雑誌の返品率は調査史上初めて40%に達した。書籍の販売額は7544億円、同4.0%減、販売部数は6億4461万冊、同4.8%減、返品率は37.6%、同0.3ポイント増。新刊点数は7万6465点、同1.9%減、新刊の発行部数は10億8393万冊、同4.5%減、平均価格は1116円、同1.2%増。雑誌の販売額は8520億円、同5.0%減、販売部数は16億5088万冊、同6.4%減、返品率は40.0%、同1.2ポイント増」とある。この右肩下がりの傾向は、出版危機を通り越して、業界崩壊の瀬戸際と言っても過言ではない。

聞くところによれば、KADOKAWAが300人のリストラをするとか。ドワンゴとの合併による人員整理という面もあるそうだが、基本的には紙媒体の低迷の結果と言えそうだ。その紙の本の売れ行き不振の根底にあるのは言うまでもなく少子高齢化社会に起因する読者人口の減少であり、それに輪をかけているのがIT社会の形成にともなう電子媒体である。

この要因は、21世紀という時代の流れであって、これを止めることは出来ない。しかし、この間の来し方をみれば、不幸にしてわれわれはむしろその低迷を加速させるべく“奮闘”したかのような風景が見える。

その一つ、人口増という上げ潮と高度経済成長に乗って、本来はパーソナルに近いミニ文化の集合であるべき出版に“金太郎飴”的マス生産と販売に有頂天になって、きたるべき時代を見失ったこと。これは流通の肥大化とその負の改革の遅れをもたらした。

第二は、再販制と委託制の本来もっているプラス面を発展させるのではなく、その陥穽とういうべき安易な利用法(取次任せの配本や返品)に流れた結果、末端の書店が単なる陳列店に堕して、書店としてもつべき地域の文化共同体の拠点としての役割を薄めることになった。合わせて、読者のニーズを蒐集し、市場を広げる力を喪失したのである。

第三は、戦後の出版社創業ラッシュと1960年代後半から80年代半ばまでの創業や他業種からの参入などを含む版元の多様化、つまり新しい世代の活力の吸収が、90年代以降、取引条件の悪化によって抑制されたこと。これは業界全体として、既存と新参の格差をもたらし、全体として活性化に水を差し、保守化を生んだ。この保守性が、眼前にある危機の姿が見えているにも関わらず、個別企業の利益優先という大義名分によって、出版界全体の“なしくずしの死”を招いているのではなかろうか。

「本は売れなくなっている」「若者は本を買わなくなっている」「欲しい本がない」「高いから売れない」などなど、いずれも否定できない。「安ければ売れる」これも真実である。だが、単行本の1500円より文庫の600円が売れる。同じ物であれば、安いにこしたことはない。当たり前である。だからといって、新書や文庫で市場を占有する戦略が、個別版元にとっては一時の勝利を得たとしても、「高いから買わない」という読者を作ったとすれば、本来の読者を生むことにはならない。「文庫の売れ筋が低迷」といったことが売上げ減の要因としなければならないところまできたのだ。

書店の粗利が低迷し、経営が成り立たないのであれば、委託という制度の利点と再販制の原則の下で、業界を挙げて適正な正味の改訂を本音で話し合えば良い。

「ポイント還元とか」「学生が本に親しみ易くする」「学生に配慮する」などのご託を並べた値引き販売で消費者の囲い込みや、競争相手の蹴落としでなく、適正な利益と公平な取引で、読者を育て、市場を拡大し、文化の育成と継承をどうすべきかを、業界のリーダーに呼びかけたい。

竹内淳夫彩流社 )●出版協副会長
出版協 『新刊選』2015年2月号 第28号(通巻252号)より
※画像で見る

出版協 『新刊選』2015年2月号 第28号(通巻252号)

1P …… 混迷の出版界で改めて再販制度の活性化を!

竹内淳夫彩流社)●出版協副会長

2P ……出版協BOOKS/2月に出る本
3P ……出版協BOOKS/2月に出る本

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