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2015年10月28日 (水)

民主主義の本フェアの中断に抗議する

丸善ジュンク堂渋谷店が開催していたフェア「自由と民主主義のための必読書50」が政治的に偏っているとの批判を受け、フェアを中断した。書店は選書の見直しをして再開するという。従業員とみられる人がツイッター上で「夏の参議院選まではうちも戦うと決めました」との発言からネット批判を受けたためだという。

しかし、従業員のツイッターの問題は、あくまで丸善ジュンク堂の内部問題であり、それを理由にフェアを中止するのは、出版社と書店との信頼関係を崩すものである。ネット批判を受けようが、フェアは書店の自由裁量であり、言論の自由を表現する場でもある。このような理由でフェアを中止してはいけない。それこそ民主主義に反するものだ。

 

書店が公式サイトで「本来のフェアタイトルにそぐわない選書内容であった」という発言は、

 書店員の選書の自由を奪い、選書に選ばれた書籍の出版社を否定するようなものである。表現の自由が損なわれてしまう。読者・書店・出版社の信頼関係をもっと大事にしなければならないのではないか。

 

たとえば私たちは、「保守政治思想をたどる」というフェアでも、「TPPが日本経済を救う!」というフェアであっても、主張は違うが、そういう出版物が「出版物に値しない」とか「一般にそぐわない」とかの理由で、フェア中止を求めるようなことはしない。

 

丸善ジュンク堂渋谷店は、直ちに従来のフェアを再開し、読者、出版社の信頼の回復に努めるべきだ。

  

 

 

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