« 栗田出版販売株式会社の民事再生計画案に反対を表明する | トップページ | 栗田出版販売の民事再生計画案に反対する »

2015年11月20日 (金)

アマゾンに対して、高率ポイント付与からの除外要請の受け入れを求める声明

出版協会員社三十余社は、Amazon Studentプログラムのポイント付与を再販契約違反と判断し、2013年7月以来、同プログラムのポイント付与対象からの自社商品の除外を要請してきているが、アマゾンからは、これまで何の回答もなされていない。一方、楽天では、楽天ヤングのポイントからの除外要請を受け入れ、対象除外の出版社名をサイト上で明記している。

 

 Amazon Studentプログラムの10%という高率のポイント付与は、再販制度をまったく無視した値引き販売であり、当初、学生だけに限られていたこうしたポイント付与が、確認した限りでは、通常販売においても、任意の書籍に1%から10%までのポイントを付与する形で行われている。Amazon Student会員であれば、このポイントが上乗せされ、最大20%のポイント付与という大幅な値引きとなる。

 

 どういう基準で任意の書籍ごとにポイント付与がなされているのかは不明であるが、付与されるポイント率は、常に変動していて、同じ本でも翌日には、ポイントが上がっていたり下がっていたりしている。

 

これまでアマゾンは、直接取引(契約)関係にないという理由で、出版協会員社との協議に一切応じず、取次を通じての度重なる除外要請にも応えることがない、いわばやりたい放題の状態である。こうしたポイント付与の原資がどこから出るのかはわからないが、国内書店の取引条件からは考えられない値引率である。まして、再販契約を順守する通常のリアル書店、国内の他のネット書店は、再販契約無視のアマゾンの高率ポイントにより営業上不当なハンデを負わされており、アマゾンの寡占状態になることを危惧する。

 

出版協は、アマゾンに対して、こうした高率のポイント付与を再販契約違反と判断し、同サービス対象からの自社商品の除外を要請した出版社の商品を、各社の要望に沿って、直ちにポイント付与の対象から除外するよう、改めて求める。

 

わが国の出版文化を支えてきた出版物の再販制が溶解することを許さず、これ以上街から書店が消えていくという事態をくい止めるためには、個々の出版社がアマゾンに対して強い態度で臨むしかないであろう。事態は刻一刻と悪化している。

 

以上

 

« 栗田出版販売株式会社の民事再生計画案に反対を表明する | トップページ | 栗田出版販売の民事再生計画案に反対する »

声明」カテゴリの記事