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2017年4月

2017年4月 5日 (水)

2017年4月54号(通巻279号)

1P 「2016年度の活動から」
廣嶋武人ぺりかん社●出版協理事
2P ……出版協BOOKS/4月に出る本 
3P ……出版協BOOKS/4月に出る本(2Pの続き)
4P ……出版協BOOKS/4月に出る本(3Pの続き)

2016年度の活動から

 去る3月8日に第5回の定時総会を終え、出版協としては6年目、現理事会の体制になって2年目が始まった。

 総会当日にも報告があったが、2016年度の活動の中でも特徴的なものをご紹介したい。

 

 芳林堂書店高田馬場店選択常備伝票切替問題と5者協議

 2016年2月26日に太洋社の大口取引先であった芳林堂書店が自己破産を申請、商号をS企画とし、書店事業を書泉に譲渡することで合意、帳合取次店はトーハンとなり、在庫品は太洋社からトーハンへ売却され書泉に納品という形で引き継がれた。

3月15日に自主廃業を目指していた太洋社が自己破産を申請し、帳合書店の常備品は新規取引の取次店に伝票切替で引き継がれたが、この際、出版社に対して、セット一括搬入分のみが案内されただけで、選択常備品に関しては宙に浮いた状態だった。各出版社はこの状態を解消すべく書店、取次店に働きかけたが、書店・取次店は「買い取った商品」と応じなかった。

この事態に出版協は、太洋社破産管財人・トーハン・書泉に強い抗議ならびに速やかな伝票切替の対応を要請する文書を送付する。

7月に入りトーハンを介して「関係5者協議」の提案がなされた。これを受けて、内外への告知と会員社の状況を調査し集会を開き、会員外を含め8社が参加し、早期の解決を目指すこととした。

8月28日に、太洋社破産管財人、S企画破産管財人、書泉親会社、取次店、出版社の5者による協議が行われ、太洋社破産管財人が譲渡されたとする書籍リストを照合し、該当するものだけが伝票切替の対象とすることになる。

そして10月14日付で伝票切替が実現する。

後に個人会員から自社の常備商品について取次店に対して担当者レベルで要請をしたが解決がつかない旨の相談があり、上記の経緯を知らせるとともに、会社レベルで破産管財人に要請するよう忠告。後日解決に至ったとのこと。

いずれにしても、当然のことを正面から筋を通したほうが禍根を残さずに済むのではないかと感じた出来事であった。

 

 各種イベント、講座の開催

 前年に引き続き、対外的な広報活動の効果も期待し、「ブックデザイン講座」として3回のイベント講座を行った。

 1.「《デザインの種》から編集的デザインへ」(鈴木一誌氏)

 2.「祖父江+コズフ+慎+イッシュ」(祖父江慎氏)

 3.「本づくりと聖書(The Book)」(桂川潤氏)

ブックデザイナーとして第一線で活躍中の諸氏が講師ということもあってか、毎回定員を超える申し込みで、当日も満員という盛況ぶりだった。

 また、参加者も会員外の比率が高かったとのことで、当初の目的であった広報的な役割を果たすことができ、より出版協を身近に感じてくれればと願う。

 次に新規会員社及び個人会員の獲得と会員社内の知識と技術の向上を企図して、各種講座を開催した。

 まずは、副会長の上野氏が講師となって、「出版連続講座」を6回にわたって開催。

 1.どんな判断で書籍企画の採用/不採用を決定しているか

 2.原稿整理はとこまで許容されるか?

 3.著者のための本を作らないというルール

 4.小社では原価率をどう設定しているか/初版部数の決定法則

 5.実売部数・返品率をどのような表で管理しているか

 6.編集者にとって必要な能力とは何か?

といった刺激的で魅力的なテーマのせいか、こちらも毎回満員の状態。この講座をきっかけに出版協入会となった会社、個人の方があった。

 これら編集寄りの講座に加え、営業寄りの講座も開催した。

 ・「混迷を深める出版界を見極める」(小田光雄氏+中村文孝氏)

 ・「図書館営業基本の基」(尾下千秋氏)

 こちらの講師諸氏も業界内ではそのお話を一度は聞いてみたい方々であったこともあり、各回とも好評であった。

 各種講座は全般に好評で会員外からの参加も多く、参加した会員にとっても刺激になった。

 

 以上、昨年度の活動の一部をご紹介した。

「芳林堂書店高田馬場店選択常備伝票切替問題と5者協議」は、流対協から引き続き、取引・流通問題に対して「もの言う」スタンスの継承、「各種イベント、講座の開催」は、理事会の若返りとともに出版協として新たに始めた活動である。

 

ところで、お気づきであろうか。いずれも会員外の方々にも対応している。

現在の会員社の顔ぶれをごらん頂いてもわかることだが、多分、皆さんが思っている以上に、出版協はオープンな(はず)ので、興味をもった講座・イベントには気軽に参加いただき、取引上だけでなく、ちょっとした困り事から、できる限り知恵をしぼってお答えしているので、こちらも気楽にご相談いただきたい。

廣嶋武人ぺりかん社 )●出版協理事

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