出版協ブックフェス開催しました
9月9日(土曜日)、「第0回 出版協ブックフェス」を、東京の千代田区「在日本韓国YMCAアジア青少年センター」で開催しました(朝10時~18時まで)。
出版協として開催した初めての「ブックフェア」でした。当日は爽やかな秋晴れで、来客萬来ならば言うことなしで楽しい年末が迎えられるはずでしたが、なかなか期待通りに行かないのも、世の常でしょうか。
以下、反省点も含め今後のために報告いたします。
●出展社 あけび書房、凱風社、解放出版社、海鳴社、共和国、現代書館、現代人文社、合同出版、こぶし書房、コモンズ、彩流社、三一書房、三元社、自然食通信社、社会評論社、不知火書房、新宿書房、新泉社、知泉書館、筑波書房、南方新社、パイインターナショナル、晩成書房、批評社、ぺりかん社、木犀社、唯学書房、リベルタ出版、緑風出版
計29社。
●売上 全社総額 約40万円弱
●メディア掲載実績 事前掲載・新文化、図書新聞、週刊読書人、毎日新聞朝刊、東京新聞朝刊
●その他事前告知手段 ポスター掲示・東京堂書店神保町店、千駄木往来堂書店、千代田区図書館 ならびにTwitter
参加された出版社から以下の三点のご意見を頂きました。
①集客・売上が少なすぎた。その原因として、告知不足、場所が悪い、出版協の単独開催であったのも客を呼べなかった一つの要素かもしれない。
②合計3回あった、トークイベントが販売の妨げとなっていたのではないか(ブックフェスの会場とイベント会場が同じ所で、トークを聞くために集まった来場者が会場の中央の席に座ってしまった。そのため、トークがいったん始まったら終わるまで、会場内を回って展示してある本を眺めるということがまったくできない雰囲気となってしまった)。また、トークイベントの内容も一般読者向きというよりは業界・関係者向けではなかったのか?
③定価販売だけでなく、もっとこの日だけの値下げ販売も検討してよかったのではないか? 等々。
・開催会場に関しては、古くからの本屋街である神保町にも近く、必ずしも不利な条件とはいえないのではないか(会場を1日借りる経費も、都内の他の会場と比較すると格段に安かったのです)。
・トークイベントに関しては、反省すべき点が多かったと思います。イベントの内容はまだまだ考える余地はあったと考えます。トークイベントの設営はブックフェスの会場中央に椅子を配置したことで、お客様が通路を回遊できなくなりました。イベント用に会議室を別に借りるなどすべきでした。
・値下げ販売に関しては、出版協が主催する以上、定価販売以外の案は考えられませんが、B本や、ヤレ本についてはその旨、明記の上で販売可、と事前説明会の際に各社へ伝えています。
イベント運営では様々な問題点・反省点がありますが、やはり最大の問題点で課題なのは「集客」問題です。来場者アンケートによると、今回のフェスを知るきっかけとして一番多かったのはTwitter(56%)でした。そのほかは口コミ、知人の紹介が多く、意外にもマスメディアや書店告知経由での認知はゼロでした。
今回の「ブックフェス、イベントに行ってみよう」という要因として、一番多かったのはSNS(Twitter)。これは、新刊・既刊の告知にも有効です。このSNSへの取組を大きな課題として考えていこうと提案します(参加社のうち半数はSNSを実施していないことに鑑み、まずはSNSとは何かからの勉強会を開催していく予定です)。
また、告知の方法としてインターネットのみならず、神保町界隈の書店さんでチラシを配布する方法なども考えられました。これについては、各版元の協力が必要です。さらに、出品書籍のジャンルによりマニアに告知する方法も必要で、そうした告知方法も検討すべきだと思います。マスメディア経由の認知ゼロはショックですが、良い方法があれば出し合いましょう。
次回の開催は現段階では決定してはいませんが、「これにめげず、壁をぶち破って次回も開催したら」という心強い声援も頂いております。知恵を振り絞って、頑張っていきましょう。
出版協理事 金岩宏二(現代書館)
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